NEO CLASSIC
ーものを選ぶ基準を教えてください
山藤貴宏:家の中に置いてしっくりくるかどうか。
宮内政直:0か100かなんですよ。めちゃめちゃ安いものも好きだし、めっちゃ高いものも好き。だから、中途半端なのものは全部嫌い。人にしても。
沼田有斗:ライフスタイルの中の瞬間瞬間、例えば、休憩するときとか、タバコを吸う瞬間とか、いろんな瞬間のタイミングで自分にしっくりくるもの、使っていてテンションが上がるもの。
結野多久也:ショップの中に置いてるものと一緒で、全部にこだわりたい。だから、安くても高くても、ものがいいのはあたりまえで、文脈があるかどうか。
ーものの情報源はどこからですか?
山藤:SNSが多いですね。
宮内:欲しいなって思うものを持っている人に直接聞きます。
沼田:街。CITY。街を歩いて情報を得ます。
結野:友達から、海外のショップや面白いところを聞いて、そこのサイトを見たりします。
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ー最近、何か買い物をされましたか?
山藤:70sのレコードのジャケット集。70年代の色みが個人的に最近ヒットしていて。配色が独特で仕事の参考になったり。その辺をディグりたくて、メルカリで買いました。
宮内:このRick Owensのスニーカー。日本にはサイズが全然なくて、めちゃめちゃ探し回ってようやく見つけました。最初は、もう折れててメルカリで少しサイズが大きいものを買ったのですが、やっぱりサイズ感が気に入らなくて、売って。そんな時に、ちょうどSSENSEでラス1をゲトりました。
沼田:このヴィンテージの攻殻機動隊のTシャツ。
結野:このAMBUSHのキノコモチーフのネックレス。キノコが無性に好きで、キノコモチーフのものはついつい買っちゃいますね。
ーここ数年で一番ヒットした買い物を教えてください
山藤:5年くらい前に買ったTRAKTORのDJ機材。すごく便利です。
宮内:僕の中では、今なんですよ。今、このタイミングで、買ったものがいちばん。その時欲しいものを買って、今は一番こいつがいいなって。今はこのスニーカーだし。でも、数ヶ月たったらまたその時欲しくて買ったものが一番で、過去買ったものはその時の一番だし。今、ですね。
沼田:THE UNIONのデニム。今回紹介しているものの前の型から、インチベースで買っているんですよ。30インチと32インチで、レングスを切ったものと、普通のもので、2本ずつ。ずっと持っていけるもの、ベーシックなものが好きです。
結野:このエルメスのリング。ゴールド、いいんすよね。ラッキーがついてまわるんすよね。
ー自分を構成する3つのアイテムを教えてください
山藤:サングラス、小指のリング、ヘッドフォン。
宮内:海、アクセサリー、けむり。
沼田:リング、子供、NYモチーフのもの。沼田有斗って名前なのですが、イニシャルがNYなので。
結野:まず、アイテムじゃないけど、プール。音楽きいて、お酒飲んで、たまに浸かって、が好きで。国内外のいいプール、まだまだあるんで、ぜんぶ行きたいすね。あとは、キノコと、ゴールドのジュエリー。
ーどういうところから、ものによる豊かさを感じますか?
山藤:映画を見ていて、その中の好きなシーンってあるじゃないですか。それを大人になっても追ってしまっていて。いろんなシーンがあるんですけど、自分の家の中のちょっとしたスペースがデジャプっぽく、「あ、ここあの映画のあのシーンの雰囲気に似ている」ってなった時は居心地がいいし、嬉しくなります。
宮内:海を眺めながら、砂の上に横たわって、紫外線を浴びて、アルコールを入れて、けむりを入れて、ぼーっとしている時が一番心が豊か。
沼田:作り手のこだわり、情熱が伝わってきた瞬間。ウォーーってなりますね。
結野:モノを通して、心が通じあう瞬間ってあるんですよね。図書館でおなじ本を互いに取る、みたいな。あと、自分の好きなものを、誰かが着てたり持ってたりとか。たかだかモノのくせに、通じあうんですよね。あと、今回だったら、僕たちが好きなTHE UNIONと寅壱とデニムとかをつくったんすけど、それを誰か知らないひとが買ってくれるじゃないですか。直接繋がっていないけど、モノがあることでコミュニティーが広がっていくのは、SNSとはちょっとちがうモノ特有の面白さっていうか、豊かさなのかなって思います。
ー自分にとっていいものとは何ですか?
山藤:買い足しが永遠にできるもの。
宮内:ハイクオリティなもの。
沼田:フィーリングの方の心地よさを感じられるもの。
結野:LOOK GOOD FEEL GOOD PLAY GOODの中で、FEEL GOODになれるものが一番ですね。
ーHATCHの人によるキュレーションというコンセプトについて、どう思われますか?
山藤:人を通して、フラットにあらためてものを見る機会ができる。
宮内:あったようでなかった。
沼田:あったようでなかった。
結野:ただのインフルエンサーを嫌っている感じがプンプンして面白いです(笑)。
ーHATCHでのアイテムセレクトのコンセプトを教えてください
山藤:アウトドアの時など外に出て、これあったら便利だねみたいなものをセレクトしていきたいです。
宮内:ビジュアルは見た目でどうとでもつくれるじゃないですか。でも、内側までこだわっているかどうかが大事だと思うんですよね。たとえばだけど、服がめちゃくちゃ好きだとして、見た目もよくて、けど、そのズボンを脱いだときに下にいいの履けてんのかって。そこまでこだわって欲しいな、というものをセレクトしていきたいですね。
沼田:うちのスタッフや、メリケンに関わってる人たちの1日の中で使っているものをチョイスしました。店の中での仕草にキラッと光るそのアイテムとか、休憩のときに使っているテンションが上がるものだったり、僕たちの1日をテーマにしてセレクトしました。
結野:僕たち、神戸、福岡に続いての今回東京だから、東京のひとたちがまだ知らないような神戸や福岡のローカルの面白いものを、HATCHを通して知らしめていければと思ってセレクトしました。あと、ショップをやるんだったら、置いてるものっていちいち大事じゃないですか。でも、ただ知らないだけだと思うけど、考えなしで選んでたりするところが多くて、それがとってもイヤ。僕たちのショップには文脈があるものばっかりだから、そういうものをシェアしたいなと思ってセレクトしました。
ーHATCHのお客様へ一言
山藤:カルチャーを通したもの選びを是非チェックしてみてください。
宮内:HATCHってオンラインじゃないすか、でも僕たちってオフラインもやるじゃないですか。ここは今スタッフルームなんですけど、ここにも遊びに来てほしいんですよ。髪を切らなくても、一杯飲みにくるでもいいし。用事がなくても、時間潰し的な感じで、ちょっと遊びに来て欲しいなって。HATCHでのセレクトもチェックして欲しいですし、髪を切らなくても、このメリケンの空気感も味わって欲しいです。
沼田:なので、そのカルチャーを通したもの選びを見てもらって、あっ面白そうだなっと思ったら、各地のメリケンへGO!
結野:ネオクラシックって言っているのですが、今まであった馴染み深いものだけど再定義できたようなものを、きちんと届けていくので、是非チェックして欲しいです。
ーMERICAN BARBERSHOPについて教えてください
「LOOK GOOD FEEL GOOD PLAY GOOD」がメリケンのタグライン。見た目よくなったら、気持ちもあがって、しごとでもあそびでも最高のプレイができる。僕たちはヘアカットだけじゃない。あと「NEO CLASSIC」なアプローチ。昔からある日常生活に溶け込んでいた馴染み深い何かを僕たちの感性で再定義。いつもあるものを、おもしろく、かっこよく。床屋もいっしょ。
ー今回、どうして東京に出店したのでしょうか?
今は地方からでも面白いことできるっていうのはあるんだけど、やっぱり東京はおもしろい。だから、東京。ぜっかくだから、雑多な渋谷。神戸と福岡のローカル感もうまく混ぜれたら最高。実は7年前に東京に出店しようとしてて、その時は物件でボロ負け。いったん東京大嫌いになったけど、7年たって、やっぱり東京いいなって思うようになってきたし。神戸と福岡にショップがあって、それぞれの深いローカルがもちろんあって、そこからの東京はたのしみ。
ー他のバーバーショップとは違うところを教えてください
ヘアカットが異常に上手いのは当たり前で、いろんな背景とか視点を持っているスタッフが多いところかなって思います。バーバーをやってるだけじゃなくって、ファッション、音楽、アートをやってたり。いろんなことをやっているやつって、半端に見られがちだけど、遊びとか好きなこととかからもプラスアルファの何かって得られるじゃないですか。仕事とか遊びとか好きなこととかが強く影響しあうと、それは半端じゃなくて強烈になると思うんすよね。そういうスタイルのスタッフのオンパレード。だから、ヘアカットしに来てるのに、お客さんと僕たちのおもしろ企画の話しになったり。僕たちきっかけで、お客さん同士がつながったり。とにかく、ショップもスタッフもユニークなのが、僕たちがほかとちがうところです。
ーメリケンの将来像を教えてください
MERICAN BARBERSHOPの、BARBERという部分が霞んでいくイメージ。バーバーのヘアカットだけじゃなくて、ウェルネス、ウェルビーイングとか全体を巻き込んだブランドになっていたいすね。けど、それでも、ブランド名はMERICAN BARBERSHOPのままがいいすね。愛着あるんで。
ー今回メリケンとして参加した理由を教えてください
うちのスタッフは、いろんな背景とか視点を持った、面白いやつのオンパレード。バラバラだけど、微妙にかぶるところもあったりで、いい感じで働けていて。好きなやつといい仕事、いい時間を過ごせている。だったら誰か個人一人じゃなくて、メリケンとして出た方が面白いかなって思ったんです。まずはこの面子が面白いと思ったものをメインに紹介していきますが、長く続いていけば、下の子に渡せるじゃないですか。たぶん、そのときは、下の子のほうがセンスいいし。そういう流れをつくれたら美しいなって思って、メリケンで参加させていただきました。