倉石一樹 インタビュー

倉石一樹 インタビュー

普遍的なセレクト

高校卒業後、自転車とスノーボードに関わる仕事がやりたくて、コロラドに行きました。そして自転車やスノーボードに関わっているうちにブランドのロゴに興味を惹かれ、それがキッカケでニューヨークに行き、グラフィックの勉強を始めました。NYに住んでいた当時、日本から友人が来たときによくNYを案内していたのですが、数年いたし、帰国しようと考えている時、NIGOくんに相談したのが「A BATHING APE」に入ったキッカケでした、それが僕の最初の仕事です。BAPEでNIGOくんやスケシンちゃん、マンキーくんと仕事ができたのが、今の自分のやっていることにも繋がっている、一番の基本的ところになっています。コラボレーションという言葉もまだ一般的では無かった時代に、BAPEとadidasで靴を作ったのですが、そこからadidasとの良い関係ができ、今でもadidasの仕事は継続でやっています。adidasの仕事をしつつ、BAPEを辞め、フリーランスで仕事を始めたのですが、あまり仕事がなかった時に声をかけてくれたのが藤原ヒロシくんで、「fragment design」名義のデザイン活動を通して、色々なブランドと仕事をするやり方を学びました。本当に良い経験で、全て今の自分の仕事に良い影響を与えてもらっています。今は、僕がトータルディレクションする初のブランド「THE FOURNESS」と、adidasをメインに活動をしています。



いいモノを誰かに伝えたい

2012年に「ODDS and ENDS」とうモノのセレクト本をだしました。アパレルから生活雑貨まで僕がセレクトした総勢100点のマスターピースを紹介している本です。代々木に「Heather Grey wall」というセレクトショップをはじめたときに、オープン前からプロモーションとしてそこで今後展開するコレクションや取り扱いたいと考えているアイテムを集めて、一日一アイテムを紹介したウェブサイトが元になったものです。海外に行くことが多いので、世界中でいろんなモノを見ることが多いのですが、いろんなモノを見てまわることはクリエイティブのヒントになると考えています。すべて心からいいなと率直に感じているモノで、「いいモノを誰かに伝えたい」という思いが、この書籍になりました。HATCHでも、僕が世界中をまわって、いいと思ったモノや人を伝えていきたいです。



すべてを飛び越えて、自分にとってどれだけ必要なものか

普段のモノのセレクトは、自分の足で見てまわって、その中から気に入ったものをセレクトしていきます。気に入ったものを買うというあたりまえの感覚ですね。基本的には、見た目がいまいちでも、使いやすさの方を重視していますが、中には逆のものも少しあります。僕にとってのモノの価値とは、どれだけ必要なものかどうか。例えば、洋服でも、着ないけどとっておきたいものってあるんです。”着ない”けど”必要がある”ので、それには価値があるということ。高い、安い、使う、使わないとかのすべてを飛び越えて、自分にとってどれだけ必要なものかがそのモノの価値だと思います。



普遍的なセレクト

HATCHの、人がキュレーションするという行為はおもしろいなと思いました。自分で探すには限界があるので、それを信頼のある人から紹介されるのはいいですね。特にWEBでは実物を見られないので、信頼のある人からの紹介は安心感もあります。 また、本や音楽、サーフィンのプライベートレッスンなど、目に見えないサービスなどもあって、それもおもしろいです。僕もそんな商品も提案出来ればと思います。今はネットで探せばだいたいの物は買えます。でも、HATCHでついつい買ってしまうような。おもしろいモノがあるから、ついでに買っちゃおうと思われるような。誰にでも受け入れてもらえるような普遍的なモノをセレクトをしてきます。


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