激個人的熱狂セレクトアイテム
ーものを選ぶ基準や、ものへのこだわりについて教えてください
一目惚れが多いですね。なんだこれ、みたいなもの。もちろん、ものによっては機能性も重要です。身につけるものは、人と被らないものが好きです。最近はメジャーなブランドのものも着るようになりましたが、本当にここ最近のこと。人気のものはそう言われるだけあって、実際に着てみると実感します。でも、何か1、2つくらいギミックがあった方が好きで、多分天邪鬼なんです。
ー昔と変わってきたことはありますか?
20、30代の時は、休日に自分から進んで原宿とか街に行っていたのですが、仕事やライフスタイルも変わり地方に行く機会が多くなっていって。地方では、古着屋も行くし、セレクトショップも行くんです。そうすると、流行と自分がリンクしなくなってきたんです。昔は雑誌を読んで、トレンドの中で自分が好きなものを取り入れていったりしたのですが。40代になって、自分が世の中のトレンドとリンクしていないけれども、地方で自分のアンテナで掘ったものに、バチッとハマる時があって。多分それが年齢を重ねることなんだろうなと思うんです。ただ、新しいもの好きではあるので、ややこしいこの自分の審美眼というか、昔から好きなものの軸は変わっていないですね。 あとは、本当に好きなものだけ、長く使えるものだけを買うようになりました。昔はいいなと思ったものはすぐ買って、使わなくなってしまう、、ということも多かったのですが。買い物すをる時に精査するようになりましたね。
ー最近、何か買い物をされましたか?
大阪で写真展を開いたときに、以前から写真展によく来てくださっているお客さんが、会場の近所のTHE NORTH FACEで働いていて、オープンまで時間があったので立ち寄ったんですね。買い物しようと行ったわけではないのですが。世間話をしながら商品を見たときに、「わ、めっちゃかわいいTシャツある!」ってなって。それが、THE NORTH FACEだからどうとかは何も思うことなく、シルエットと素材感が素晴らしくて購入しました。20、30代だったら、もしかしたら、THE NORTH FACEはベタすぎて外していたかもしれない。その点は今と昔では変わってきましたね。
ーものの情報源はどこからですか?
仕事柄いろんな方に出会う機会が多く、面白い人が多いんです。そこから刺激を受けるのがすごく大きいですね。自分より若い子でも、同年代でも、年上の方でも、面白い方に出会う頻度が多いのかなと思います。
ーコレクションしてるものはありますか?
銭湯グッズ。コレクションしているつもりはないのですが、初めての銭湯に行くとついつい買ってしまい、しかも捨てられないので、、いつの間にか集まっています。
ー銭湯、サウナはいつからハマったのですか?
6年ぐらい前かな。写真展のグッズなどのデザインをしてくださっていて、今回もセレクトに入れさせていただいた、ステンシルアーティストの守矢さんから誘われたのがきっかけ。守矢さんがサウナというより、温冷浴にハマっていて。暑いサウナでも、熱いお風呂でも、入って水風呂に入って、っていうのを何回も繰り返していく。当時は全く興味がなかったのですが、あまりにおすすめされたので、行ってみたらめちゃめちゃ気持ちよくて。最初は気持ちいいだけだったのですが、何回か行くうちに、「整う」という感覚が分かってきて。それが自分のメンタルケアにめちゃくちゃ効くことを実感したんです。そこから一気にハマっていき、100箇所以上は余裕で行っていて、もう数えられないくらいです。
ーものの対価は気にしますか?
服や雑貨は、安かろう悪かろうという概念がないので、値段関係なしに欲しければ購入します。もちろん、安いに越したことはないですけど。特に古着は一期一会なので、値段は関係ないですね。
ーここ数年で一番ヒットした買い物を教えてください
なんだろう、、、一番良かった買い物、、車かな。3年前くらいに日産のキャラバンに乗り換えたんです。それまではベンツが好きで、以前はゲレンデに乗っていて、それはそれですごい好きだったのですが。キャラバンに乗り換えてみて、本当にこの車にして良かったなって思うんです。40代になって、ブランドとか、見た目とか、外的にどう見えるかとかではなくて、ギアとしてガシガシ使って愛することができるかどうかの方が重要になってきて。本当に自分が使って愛用できるものかどうか。対外ではなくて、対自分。今では、この車に荷物をパンパンに積め込んで、ときには車中泊をしながら、バンドのように写真展やPOP UPなどで全国を回っています。
ー人生に欠かせない3つのアイテムを教えてください
まずは、眼鏡。目が悪いので度が入っているのですが、絶対色を入れているんですね。眩しいというのもあるし、ライブを撮っているときも逆光が多かったり照明が眩しいので。パッと見はサングラスにしか見えない眼鏡は欠かせません。
カメラ、、なのか。カメラですかね。
眼鏡とカメラと、あと1つなんだろう。
車ですかね。これを言ったら嫁にめっちゃ怒られるので言いたくないのですが(笑)、家にいる時間よりも車の中にいる方が好きなんです。家が嫌いというわけではないのですが、家にずっといたくないんですよ。ずっとどこかに行っていたい。だから家にいると、どんどん病んでくるんですよ(笑)。バンドのツアーや、写真展、STINGRAYのPOP UPなどでずっと旅をしていたい。究極の現実逃避やろうなんです。仕事を仕事と思っていないというか、仕事をしているときが一番楽しい。仕事に追われていないと調子が良くない。
ー塁さんにとっていいものとは何ですか?
昔より機能性に惹かれるようになってきたのですが、突き詰めるとテンションが上がるものですね。持っていて、使っていてテンションが上がるもの。最近は、スタンダードなものに振れがちなのですが、やっぱり自分の中でベースとなるものは人とは被らないものが好きです。
ーどうしてセレクターのオファーを受けていただけたのでしょうか?
昔から人にオススメするのが好きなんですよ。でも、おおっぴらにオススメしたいというより、興味がある人にだけ教えたいというのがあって。今回お話をいただいて、そんな自分の性格に合っているなと思ったんです。HATCHは闇雲に万人へというサービスではなく、ある程度ニッチなところにリーチしているんじゃないかなと思っていて。カルチャーが好きだったり、ものが好きな人たちという大きな受け皿があって、その中の不特定多数にレコメンドできるというのが自分の思想とマッチしたというか。自分に価値観が似ているかもしれない方たちに、今までは自分に興味がある人にしかしてこなかった好きなものをアピールできる場所ってなかなかないと思うんです。
あとはセレクターとして参加されている方々が、自分が影響された人や、自分が好きな人、知り合いもいて、すごい面白そうだなと。しかもただ紹介されているだけではなくて、そこで興味があればダイレクトに買えるシステムってすごい面白い仕組みだなと思って。それで是非参加させていただきたいと思いました。
ーHATCHでのアイテムセレクトのコンセプトを教えてください
こういうものを出したら売れるかなとかを一回排除して、本当に自分が好きなもの、自分ならではのもの、自分にしかできないものです。自分が好きなカルチャーだったりアイテムを純粋にセレクトしたので、めちゃめちゃ濃いものになっていると思います。キーワードは何?と言われたら、橋本塁という共通項のみ。でも、闇雲にただ自分が好きなものを選んだわけではなくて、好きなものかつそのアイテムや作り手に一つ一つストーリーがあってリスペクトがあるものです。僕というフィルターをとっぱらっても、素晴らしいものばかりなので、是非触れてもらいたいです。
ーHATCHのお客様へ一言
HATCHユーザーの皆さんは、僕と感覚が似ていると思っているんですよね。ここまでややこしくないと思うけど。(笑)
有名無名問わず、いいものはいいという自分の審美眼というか、ストライクゾーンがしっかりとある方が多いと思っていて。そのストライクゾーンに僕の球がストライクにズバッと決まったらめっちゃ嬉しいですね。