坂本龍一
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坂本龍一
現在、インターネットの普及により、誰もがあらゆる音楽情報に簡単にアクセスできるようになりました。それによって、音楽はいい意味でも悪い意味でも優劣をつけられることなく、並列化されつつあります。旧来の型にはまった音楽観―西洋クラシック音楽を優れたものとし、伝統音楽やポピュラー音楽を劣ったものと見る―が相対化されたことは歓迎すべきことです。実はそのような価値観の見直しは20世紀の最後の四半世紀に起こってきました。 こうした歴史の見直しもあって、今わたしたちは、ありとあらゆる音楽が無差別に並列された混沌の前に立たされることになりました。そのような状況に対してscholaが企てるのは、ほどよい一般性をもった文化の教科書をつくりだすことではなく、圧倒的に突出した音楽を拾いつつ、そこから普遍性をもったスタンダード(標準)をつくりだそうという、きわめて野心的なプロジェクトなのです。このようなスタンダード(標準)の選定は、たんに広くバランスのとれた知識だけによっては不可能でしょう。場合によっては、選者が個人的なこだわりから特殊な音楽を選ぶことがあってもいい。そういう特異性からこそ、普遍性に通ずるスタンダード(標準)は生み出されるのです。文化の規則性からはみ出した例外であるからこそ、いつでもどこでも新しく響く―それこそが本当の「古典(クラシック)」と言うべきではないでしょうか。スコラを通じて、1人でも多くの若者が音楽に目覚め、精神や才能を磨くための力添えができればとの思いが込められています。

commmons: schola vol.10 Film Music

¥9,350 (税込)

コモンズ:スコラ、シリーズ第10巻のテーマは、「映画音楽」。 映画の歴史を語る上で欠かすことのできない映画音楽の魅力を、 坂本龍一によるオリジナリティあふれる選曲を収録したCDと、 浅田彰、小沼純一、岸野雄一を加えた座談会・解説を含む 豪華ブックレットで紐解く。

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