YOSHIROTTEN インタビュー

YOSHIROTTEN インタビュー

イマジネーションを与えるもの

高校生の頃、音楽やファッション、スケボーが好きで、それら全部に関われることがグラフィックデザイナーと知ったときに、これが自分のやりたいことなんだ分かりました。自分が好きなものを仕事にしたいなと思ったのがきっかけですね。18歳の時に上京して、専門学校に通いながらレコード会社にインターンとして働いていて、そこで知り合ったデザイン会社に就職。25歳の時に独立して、デザイン事務所を立ち上げました。音楽やファッションの仕事が一番多いのですが、最近では広告やブランディングから一緒にやらせていただくこともあります。これまでに、NY ACEホテルの内装やスティービーワンダー、DJ Hell、m-floなどアーティストのジャケットデザイン、ZINE制作、パリコレに参加するブランド等へのデザイン提供、JAXAとの商品企画や様々なブランドとコラボアイテム制作などに携わってきました。



あの時自分が感じたものを、僕も作りたい

自分のスタイルとして、こういうものを作ってみたいけれど、仕事ではまだできていないものは、個展で表現しています。1年に1回、これまでに、東京、ベルリン、ロンドンで開催してきました。新しいものを作るためのトライする場所ですね。その個展の作品が仕事に繋がるときは嬉しいです。最近では、boogiemannと七尾旅人さんのジャケットです。ロンドンの個展で出した作品を見てもらった際に、それと作っている音楽がすごく合うねという話になって、そのままジャケットの世界に落としこむことが出来ました。ACEホテルも、個人的な製作をしていた作品を見てもらって、これを使いたいとか。そういうのは嬉しいですね。音楽だと、僕もジャケ買いをしたりするのですが。ジャケットは曲を聞いていない状態でもお客さんに伝えられる手段で、それって重要だと思うんです。自分の作風を押し出すのではなくて、音楽を聞いてこういうイメージが生まれるよ、というのを手助けできるような。イマジネーションの手助けになるようなことをしていきたい。グラフィックデザインがすごく好きで、自分もいろんなグラフィックに影響を受けてきました。一つの平面だけで、いろんなものが広がる世界。そういうすごくわくわくした、あのとき感じたものを、僕も作れたらいいなと思います。



自分が自分らしくいられるもの

普段使うものは、とにかくシンプルな自然なものが好きですね。洋服も楽な格好が好きだったり、普段カバンを持たなかったり。そっちの方が自分を開放できるし、自由な気持ちになれます。海、山、街中、違う国など、いろんなとこに行って、いろんなものを見て、いろんなものと出会って、あのとき通り過ぎたあの植物のグリーンがかっこよくて、それを作品に落とし込んでいることもあるかもしれません。普段使うものも、通り過ぎて行くいろんなもののなかから情報を得ている感じですね。一緒にいて、いい気分になる、心地いい、刺激されるとか、楽しい、おもしろい、そういうものに価値を感じます。自分が自分らしくいられるようなものに。



イマジネーションを与えるもの

HATCHの人が選ぶというコンセプトはおもしろいですね。ひとりひとり、ものに対する価値は違うものなので、それがダイレクトに出ている。今回セレクトしたものは、今自分のリビングルームに置いてあるものばかりです。家にあるものを持ってきました、そんな感じ。自慢の一品でもなく、自分にとって自然にまわりにあって、心地よくて、刺激もあって、人にすすめたいもの。好きなものは人に教えたいし、好きになってもらえたら嬉しいので、HATCHを通じて自分の感覚、好きなものを共有していたきたいです。ものはそれ一つで空気をかえる力があると思います。僕のセレクトを通してイマジネーションをあたえられ、何かを感じ取ってくれたら嬉しいです。


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